相談と回答「派遣元へ仕事の斡旋するよう申し出ることはできますか?」|派遣法改正から3年・あなたの“今”をお聞かせください|派遣労働者の皆様へのアンケート
派遣法改正から3年・あなたの“今”をお聞かせください

お寄せいただいたご相談と弁護士による回答をご紹介します

Q.

つい先日、雇い止めの通知を受け、今年いっぱいの契約となりました。

社員と同じ仕事を任され重要な仕事ばかりしていたので、上司は人事に継続雇用を申し入れましたが、人事が拒否しました。

派遣元は、次の仕事があれば紹介すると言っていますが、次の仕事の紹介は派遣元の義務ですか?特に紹介する様子も今のところみられません。

これに対して仕事の斡旋する申し出の権利を主張することはできますか?

回答日:2018/11/05

労働者派遣契約は、契約の満了によって終了し、新たな契約を締結するか否かは派遣先が自由に選択できます。そのため、労働者派遣契約の期間の満了を理由に雇い止めされた場合、残念ながら現在の法律では、派遣先に対して派遣契約の継続を訴えることは難しいです。

もっとも、直接の雇用関係がある派遣元に対して、以下のような雇用安定措置を求めることができる場合があります。

■次の仕事(派遣先)の紹介について
相談者様は、「今年が3年目になる派遣社員」ということですが、派遣元との労働契約も有期雇用契約となっているのでしょうか?

派遣法30条は、(1)当該派遣元に雇用された期間が通算して1年以上である有期雇用派遣労働者、又は(2)当該派遣元に雇用された期間が通算して1年以上で、今後派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者(いわゆる「登録状態」の者)について、派遣元事業主に対し、以下の雇用安定措置をとる努力義務を課しています。

[1]派遣先への直接雇用の依頼
[2]新たな就業機会(派遣先)等の提供
[3]派遣元事業主における無期雇用
[4]その他安定した雇用の継続が確実に図られると認められる措置

そのため、相談者様の派遣元との契約が有期雇用契約である場合は、上記[1]又は[2]の要件に該当すると思われるため、派遣元に対して、新たな就業機会(派遣先)等の提供やその他の雇用安定措置を求めることは可能です。

法律上の要件を満たさずとも、事実上の交渉として、派遣元に新しい仕事(派遣先)の紹介等を求めることは可能です。1人で交渉・要求することが難しい場合は、派遣社員でも加入できるお近くの労働組合へ相談し、協力してもらうのも1つの手段であると思われます。

詳しい事情をお聞かせいただければ、より具体的な回答も可能です。引き続きご相談されたいことがございまいしたら、お気軽にお問い合わせください。

» 「寄せられた質問と回答」一覧へ戻る

» HOMEへ戻る